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|CHARLIE'S|

「baguette rabbit」

岐阜チャーリーズ

 米派かパン派かと言われたら、まちがいなく米派だ。その証拠に数年前、最後の晩餐は?と訊かれた際に「塩むすび、豚汁、たくあん」と答えたことがあるが、今でも変わっていない。ぼくは米を鍋で炊く。最近は優れた炊飯器があるらしいけど、家電屋さんに見に行くだけで買わずにいる。基本的にアナログなのだ。豚汁の具には、こんにゃくとゴボウは欠かせない。たくあんは合成着色料で皿が黄色くなってしまうもので構わない。仕事柄、数多くの名品をいただいているが、得てしてそんなものだと思った。しかし最近、それを再考させるほどの実力者が現れた。名古屋市千種区にあるbaguette rabbitのパンだ。定番のバゲットやクロワッサンはもちろん、常識を覆すブールはもはや職人芸の極みだが、ぼくのお気に入りはブノワトン。最後の晩餐に相応しい。ブノワトンとはライ麦とレーズンが組み合わさったパンのことだが、焼きたてのその味は衝撃的ですらあり、初めて食べたときは、その美味しさにしばし絶句し、シェフに嫉妬した。男の嫉妬ほど恥ずかしいことはないと思っているが、料理人と演奏者は別格だ。 ブノワトンはCHARLIE’Sでも買えるが残念ながら焼きたてではない。焼きたてを求めて千種区へ行くことをお勧めするが、それが叶わない方のために、ひとつ良い方法を聞いた。パンを炊飯器の中で蒸らすのだそうだ。そうすると、ふわふわに変身する。
   


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